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蟻波 清日(家庭科):追分高校は、生徒を深い愛情をもって広い視野とで見ようとしている学校


蟻波 清日(家庭科)

Q:ご自身はどんな高校生でしたか?

私が高校生だった頃は、まだ男女別に教科が分かれていました。男子は家庭科をやらず、体育をしていて、女子だけが家庭科をするという時代でした。今のように男女平等ではなかったので、男子が羨ましいなと思いながら見ていましたね。ただ、私は食べ物にすごく関心があって、作ることも好きでした。それに加えて、生物が面白くて、食べ物が体にどう影響するのかということにも興味を持つようになりました。そういった背景もあり、食物について学ぶことのできる山形大学の教育学部家庭科に進学しました。

Q:追分高校はどんな学校だと思いますか?

最初に感じたのは、先生方がとても優しいということです。普通科や工業科、農業科、福祉科などを経験してきましたが、この学校は特に先生方が生徒1人ひとりをしっかり見ていると感じました。どの教科の先生も、生徒を広い視野と深い愛情で見ようとしているのが印象的です。
追分高校に来ると、先生たちの間にそういった雰囲気が流れていて、自然と生徒をよく見ようとする意識が生まれているのかもしれません。

Q:フードデザインの授業が生まれた経緯を教えてください

追分高校では、私が来る前から『食物研究』という学校設定科目がありました。これは地域の方々と交流しながら、地域の食文化への理解を深め、地産地消を実践できる力を育てるという内容でした。その経験を踏まえて、2024年度(令和6年度)から正式に文部科学省の教科として『フードデザイン』がスタートしました。私としては、これまでの経験を活かしつつ、さらに生徒たちが地域と深く関わりながら成長できるような授業を作りたいと思い、この授業を計画しました。

Q:具体的にはどのような流れで授業を進められたのですか?

1年生の頃から地元の食材を使った活動を行っていて、大豆を育てて味噌を作ったりする経験をしていました。そこから3年生になり、商品化を目指してフードデザインの授業を進めていくという形です。地域の食材を使って商品を作るというプロセスは、生徒たちにとって集大成となる取り組みです。
地域の方々と連携しながら授業を進めることが初めてだったので、最初は意思疎通が難しい部分がありました。ただ、教育委員会が地域との繋がりをサポートしてくれたおかげで、徐々にスムーズに進むようになりました。

Q:授業を通して生徒たちにどのような変化が見られましたか?

自分たちが作ったものによって人が笑顔になり、『ありがとう』と言われる経験が、生徒たちにとって非常に大きな影響を与えました。その純粋な喜びが、生徒たちの高校生活をより輝かせたのではないかと思います。

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Q:追分高校の生徒たちへのメッセージをお願いします

追分高校には、苫小牧や早来、千歳など、さまざまな地域から集まった生徒がいます。中学校までは違う環境で育った子どもたちが、3年間共に過ごす中で、相手を思いやる心やコミュニケーション能力を育んでくれたと思います。その成長を見て、私も嬉しく思っています。これからも、人と繋がる力を大切にしてほしいです。

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